Vol.2 マラソンブームから考えるお客様がワクワクするショップづくり
ファッショナブルな“ファンランナー”が急増中!
ここ数年で、趣味としてマラソンを楽しむいわゆる“ファンランナー”が急増しています。去る3月に行われた東京マラソンでは、定員が3万5,000人のところ、応募者は26万2,000人にもおよび、当日の盛り上がりも記憶に新しいところです。
このようなイベントだけでなく、平日のアフター5にもファッショナブルなウェアに着替えた多くのOLが人気のマラソンコースで汗を流しています。その光景からは、走ることだけでなく、身につけるウェアにも楽しみを見出しているランナーたちの姿が見てとれます。
“ファンランナー”!皇居周辺でスナップ

1年ほど前からマラソンを始めたというWさん(36歳・会社員)も、ウェアのデザインにこだわるランナーの一人。スナップ当日もクールな色使いが一際目立っていました。汗がすぐ乾く素材選びや、スムーズな走りをサポートする立体的なシルエットのタイツなど、機能性はもちろんですが、何よりデザイン性を重視して選んでいると言います。
そんな彼女のお気に入りアイテムは、このランニングスカート。ふんわりと した女性らしいシルエットと発色の美しいパープルに惹かれて購入したそう。「皇居周りはオシャレランナーが多いし、何より自分が好きなウェアだと、走っていてテンションが上がる!」とのこと。ランニング用のハンチングがあったらいいのに……と、まだまだランニングウェアの広がりを期待している様子でした。
- adidasのカットソー
- 約3,500円
- CW-Xのスパッツ・ランニングスカート
- 各約10,000円

1ヵ月ほど前、会社の同僚からの誘いで山中湖のマラソン大会に応募したことがきっかけでランナーの仲間入りをしたMさん(25歳・会社員)。それ以来、仕事が終わった後の夜8時ごろに1時間ほど走っているそうです。この日も、初めて購入したというウェアでランニングを楽しんでいました。パーカは明るいピンクの色が気に入って購入。また、ぴったりとしたスパッツ1枚で走るのには抵抗があるので、ランニングスカートはやはりマストアイテムだと言います。
まだマラソンを始めたばかりということで、価格も購入決定の重要なポイント。賢いお買い物を意識しているだけあって、ウェアを選ぶときは、会社の同僚との情報交換が欠かせません。おすすめのショップや「○○のスパッツが動きやすい!」などの情報をもとに、アイテムをセレクトしているそうです。
- ユニクロのパーカ
- 約2,000円
- ASICSのランニングスカート
- 約3,000円
- NIKEのスパッツ
- 約5,000円
“ファンランナー”が教えてくれる“コト重視”のお買い物傾向
彼女たちの話から見えてくること、それは“モノ”よりも“コト”を重視したお買い物をしている姿。おしゃれなウェアが着たいからマラソンをするのではなく、ウェアはあくまでマラソンをもっと楽しむためのものだと考えているのです。
それは、ランニングスカートの売上げが劇的に上がっていることからもわかります。スポーツブランドのミズノでは、2008年のランニングスカートの売上げが前年の5倍以上を記録し、アシックスではその人気を受けて13色のカラーバリエーションでランニングスカートを展開。本来必要不可欠ではないアイテムであるランニングスカートが売れているということも、“コト”重視のお買い物傾向を顕著に表しているといえるでしょう。
お客様が求めている“コト”を知ろう!
生活の1シーンを演出するものとしてファッションをとらえ始めたお客様たち。今の商品企画や販売には、お客様がどんな“コト”を求めているのかを知ることが欠かせなくなってきました。
そこで今回は、お客様をより深く知り、それぞれのシーンに合った企画販売ができるようになるアンケートの一例をお届けしましょう。

自社ブランドのターゲットについて調査するときには、売上げデータの分析から入ることが多いものです。ただ、それだけでは「何が売れたか」はわかっても、「なぜ売れたか」をつかむことができません。
そこで上図のようなアンケートを使い、自社ブランドの顧客様や「こういう方に買っていただきたい!」という数名の方にリサーチをしていきます。このアンケートを集め始めると、お客様(もしくはお客様候補)がどんな生活をしているのか、どんな嗜好をもっているのか深く知ることができ、それに合ったファッションをよりよいタイミングで企画・販売できるようになります。それは、このアンケートがファッション以外のことにも触れているからです。ファッションに関連した質問のみを列記したアンケートでは、もともとファッションに対する興味の低い層からは有益な回答を引き出すことができませんが、こうしたアンケートであれば、そうした層にも自社ブランドに興味を持ってもらうきっかけ作りのヒントを集めることができるのです。
売上分析のように多くのデータを集めることは難しく、また、手間もかかる方法ですが、一度実施をしてみればその活用度の高さに驚くことでしょう。お買い物をしていないときのお客様の姿にこそ、新しさのある提案のヒントが詰まっているのです。
お客様も、「自分をわかってくれている」と感じられるショップには通いたくなるもの。自社ブランドに合ったアンケートを作成し、来店される方がワクワクするようなショップ作りを目指していきましょう。





